「あ、あのですね!お母様!」 「…お母様?」 不審そうな顔をするのも当然。 でもそんなの気にしてる余裕もない。 「頼みっつーか、話しっつーか、あるんだけど!」 どうする、美香。 どうごまかす?! 彼氏となんて、絶対に言えねー! けどあたしが『友達と』なんて言って、信じてもらえる? 大体あたしには友達なんて…… ……まあ約一名いる気もするけど…。 「やっぱ後ででいいや!」 あたしは急いで階段を上った。