幼なじみ

 そこには、真っ赤な顔をした今まで見たことのない朱音がいた。

「あ、朱音?」

 動揺した俺の声は、みっともなく上擦っていた。

「孝史の鈍感!」


 ーーーえ?それって…

「朱音、マジで?」

「知らない」

 そう言って、朱音は後ろを向いてしまった。俺から見える小さな耳が赤い。

 可愛い。

 こんな姿を見たら、我慢できるか!

「朱音ちゃ~ん、どうしたのかなぁ」

 俺は後ろから朱音を抱きしめた。

「ひゃあ~」

 俺から逃れようとジタバタする朱音の耳元で囁く。

「どうしたのか言って」

 朱音が自分の首に回されている俺の腕をちっちゃな手で外そうとしている。

「…孝史のいじわる」

「言ってみ」

 朱音が黙って俯いてしまった。

 あ、あれ?いじめすぎた?

「俺は、好きだけど」

 俺の言葉に朱音が振り向いた。
 俺がにっこりと笑ってみせると、朱音も今まで俺が見た中で一番の笑顔を見せてくれた。

「私も大好き」