「コツがあるんですよ。ねっ、川上さん」


「ええ。誰でも出来るね」


「なになに?教えて」


「ダメです。明日のお楽しみ」


「あら、意外にケチなのね」


そう言って、2枚目のクッキーを口に運ぶ小林さん。


「じゃ、準備はばっちりってことだ?」


「お菓子を作る準備はばっちりですよ。心の準備はまだですけど・・・」


「今さら何言ってんの。よろしくお願いしますよ、美和先生」


「はい。頑張ります」


うー緊張するよ。


「川上さん、助けてくださいね」


「大丈夫だって」


にっこり笑う川上さん。


そのポジティブさ、わけて欲しいよ。