君とはじめて。〜契約恋愛〜


ガヤガヤと盛り上がる室内にふと、男の身なりに目を向けてみた。


高そうな時計、高そうなスーツ。
いかにも高級車に乗ってるかのような、車のキー。


今夜の相手、男性メンバーは有名外資系会社での男たちだった。

戸高グループ…この会社を知らない人は日本ではいない、かのような大手企業。


なぜ奈緒達がこんなボンと合コンできるかなんてそれは奈緒達の身分にも事情があった。


私立常盤女子学園。

いわゆる名門お嬢様学校。

国で1、2を競うくらいの金持ちマンモス学園でもある。
幼、小、中、高、大までエスカレート式のこの高校の生徒全員は超お嬢様。

大手企業の箱入り娘しかいないってわけだ。

奈緒は朝倉財閥の一人娘。朝倉グループといえば、10数年で超大型企業発展した社員10万人を超えるほどの大手グループだ。


常盤学園に持ち込まれる合コンの相手は必ず、それに似合うボン達だった。

お互いが同等な関係、付き合うとなったらやはり自分に似合うほどの身分の人を見つけたいのだろう。

お見合いが古い現代に合コンで知り合う、というものは珍しくなかった。
むしろ、男も女もその方が探す手間が省ける という気持ちだったのだ。