「ふぇ…!?」
くちゅくちゅとかき回し、なでるかのような扱い。
(舌……!!)
いやらしい音が部屋中に響き渡る。
どんどん激しくなる椎也の舌扱いに戸惑いを隠せずただ応えてしまう奈緒。
「…やだぁっ!!」
――ギリッ!
ようやく離れたお互いの唇。
ハァハァと息をもらす奈緒をよそに椎也の唇から流れ落ちる血…。
「いてっ…」
唇の傷口を押さえるかのように血を舐める椎也を思いっきり睨んだ。
「…なんでっ…こんなこと!」
いきなり狭まれた乱暴なキス…。
手荒な扱い…まるでこんなの乱暴な行為だ…
すぐさま唇を押さえる奈緒をよそに椎也を見ればクスクス笑っていた。

