それから父と母で会えなかった時間を縮めるようにたくさんの話をした。
奈緒にとって半日、一緒に居れるだけでも満足だった。
「奈緒、そういえば奈緒に紹介した人がいるんだ。今日もお見えになるのだが…」
「あら、あなたまだ言ってなかったの?」
父の言葉にピクッと体を反応させた母が言った。
「…紹介?」
…あたしに…?
誰だろう…。
「ああ、実は…――」
コンコン。
まるで父の話を遮るかのような、突然聞こえたノックの音。
「失礼します。ご主人さま、そろそろお時間が…」
「ああ、もうパーティの時間か。…奈緒、後で一緒に紹介するからそのときに話そう」
「…あ、はい。」
…話?何…?
父の言葉にいまいち理解のできない奈緒がいた。

