──カランコロン
何て声をかければ良いかなんてわからない。ただあやに会いたくて。ちゃんと言いたくて、うまく伝わるかわかんないけど、言わなきゃ伝わらないってわかった。だから今、ものすごくあやに会いたくて、あやに謝りたくて、あやを追いかけた。

「…あやっ!!!」
「…」

あやは歩き続けた。
僕は後ろからあやを抱き締めた。

「ごめん」
「ぐすっ…ズッ」
「ごめん」
「今日言いたかったのはあんな言葉じゃないの」
「うん」
「遊汰が隣に居ると恥ずかしくて、素面じゃ言えないと思ったから、酔っちゃって」
「うん」
「あやね…、本当は責任とれって言われた時、嬉しかった。」
「うん」
「ちゅーされた時も少し強引でびっくりしちゃったけど、嫌じゃなかったの。」
「うん」
「だけどあやが好きなのは、すこし怖いけど可愛い顔の遊汰で、無理して大人ぶってる遊汰じゃないの。」
「うん」
「あやに合わせてんのかなあ?って、いっぱい思った。」
「うん」
「でもね、それでも」
「うん」
「あや、遊汰が好き」
「うん」
「遊汰は?遊汰の気持ちちゃんと聞かせて」
「俺は、最初にあやを見た時からあやの事ばかり考えてた。あまりにも綺麗で、あやの隣に居ても恥ずかしくない男になろうって思って背伸びしてた。でもそれであやが傷付いたならごめん。」
「うん」
「俺もあやが大好き」

あやは俺の腕の中で泣いた。

「泣き虫。」
「だってぇ…ずっと遊汰のこと見てて、こんな日が来るなんて思ってなかったんだも…」
「泣き虫は嫌ーいっ」
「えーっ?」
「嘘だよ。行こ。送る」

──ちゅっ

「へへーっ。からかった罰!年上なめんなーっ」
「ははっ1歳しか変わんないよ。」
「2歳だよーっだ!」
「はいはい」

あやが背伸びをして僕の頬にキスをした。僕の顔は赤かっただろうな…