私には父が居ない。


亡くなったわけでも、母が離婚したわけでもない。


最初から居ないのだ。


そう…シングルマザーというやつだ。


今ではそう珍しくはないのかもしれないが、私が生まれた当時はあまり世間では胸を張って生きていくにはまだキツい時代だったみたいだ。


だから私は、おじさんを理想の父親像を重ねていたのだろう。




一方、おじさんの奥さん…
つまり、ヒデの母親はヒデが小学校に上がるころ、離婚をしヒデをおいて他の男のもとへ行ってしまったらしい。



詳しくは知らないが、これは私が大人になってからヒデから軽く聞いた話しだった。