「お前って、なに考えてんの?」


そんな私に男友達である佐伯 修次が聞いた。


修次とは、結構、仲がいい方だと思う。


「な〜にが?」


私は、なにを聞かれているかよくわかっているけど知らないフリして、おどけてみる。


それが一番。


今まで、そうしてきたから。


それは、知ってしまったから。


心配するフリをして、優越感を得たいという下心も含まれていることを。


「玲は、誰か好きな奴居ないわけ?」


修次は、どっちなんだろう?


「いないよ〜。」


どうしても、いつもの癖が抜けないから、軽いノリで答えてしまう。


「あのな〜。
俺は、マジで心配してんだよ。
玲をマジで好きな奴だっているんだぞ。」


修次は、ため息をつきながら呆れてる感じだ。


なんか、いつもと違う。


すごく真剣。


これは、怒ってる?


なんで?


私が軽いノリで返したら、最初は、どんなに真剣でも呆れてほっとくのに。


みんないつもそうだったのに。