文学乙女

ぼんやり見ているうちに、うつらうつらと眠くなってきた。





こんなに賑やかな場所なのに、眠くなるのが不思議。




ケータイの時計を見ると、夜8時半を過ぎていた。





この時間だと、図書館で借りた本を読みふけって、合間を縫って絵を描いてる頃だろうな。





うつらうつらと眠気が襲い、まぶたが徐々に下がってきた。





そして、こんこんと眠りの世界へ陥っている時−。





突然、うなじに何かヒヤッとしたものが当たった。





「ひゃっ!!」





その冷たさに、あたしはびっくりして跳ね起きた。





心臓をドキドキさせながら、顔を上げる。





「あ……」





びっくりさせた相手を見るなり、あたしは声を洩らす。





宣ちゃんがペットボトルのお茶を持って、目の前に立っていた。





「やっと見つけた」





宣ちゃんは安堵の笑みを浮かべる。





「見覚えある浴衣だったから、もしかしてと思って…」





「浴衣?」





「うん」





宣ちゃんはにこっと笑う。