文学乙女

「正直言うと、僕一人だと少し心細かったんです」





「心細かった……?」





あたしはおうむ返しに聞く。





「知らない人に囲まれて、僕以外若い人間がいなかったから…それで、越野さんを招待したいって、僕から先生に頼んだんです」





「……」





「もし越野さんに断わられたら、今頃寂しい思いをしてたかも知れません」





「そうなんですか……」





三枝さんの意外な理由に、あたしはうなずく。





三枝さんの本心に共感したと同時に、さっきまで自己的なことを考えてた自分が、情けなく思った。





「すいません……僕のわがままで、越野さんの気を悪くしてしまって」





「いえ、そんなことないですよ。−あたしの方こそ、自分のことばかり考えてしまって、本当すみません……」





あたしは首を横に振りながら、申し訳なさそうに言った。