文学乙女

「−あ、そうだ。渡したいものがあったな」





「え?」





三枝さんは中へ戻っていった。





あたしは一人になると、椅子に座って涼しい夜風に当たる。





さっきまで青みがかかった夜空が、今や真っ暗になっている。





今頃、メグ達何してるんだろう…?あんな騒動になったから、きっと噂の嵐だろうな。





そう考えていると、三枝さんがベランダへ戻ってきた。





「はい」





三枝さんは手に持ってる包みをあたしに差し出す。





……あれ?この袋。





見覚えある包みに、あたしはハッとした。





前に手紙と一緒に渡せなかったクッキーの入った袋だ。





「三枝さん、これ…」





「中、開けてみて」





あたしは言われるまま、リボンをほどいて、中身を見る。





「あ…」





中身を見ると、キャラメルが一箱入っていた。





ハスカップキャラメルという、北海道ならではのおみやキャラメルだ。