文学乙女

あたしはウォークマンを止め、ヘッドホンを耳からはずす。





ポケットにしまうと、あたしは改まって口を開く。





「あの……」





「はい?」





「さっきは、ありがとうございました。−あの時助けてくれなかったら、あたし相当酷い目に遭ってたかも知れません」





「?…ああ、絡まれた時の。−前に話してたちょっかい出してきた人って、さっきの太った男?」





「ええ」





「相当酷いヤツですね」





三枝さんはため息混じりで言った。





「でも、三枝さんがアイツの顔にウーロン茶ぶっかけたから、おかげでスカーッとしました」





散々ちょっかい出されまくった分、仇取ってくれた(?)から逆に感謝感謝。





「正直怖かったですよ。後になってから、よくあんなことしたなぁって思いましたよ」





「すごい嬉しかったです。…人を庇うなんて、そう簡単に出来ないことだし。あたしも見習わないと」





三枝さんと目が合った途端、あたしは慌てて目をそらす。





さっき助けられたことを思い出したしまい、嬉しいやら照れくさいやらで、変な気持ちだった。