文学乙女

西海さんに促され、恐る恐る上に向かう。





そこは展示室でなく、パーティー会場に変わっていた。





周りの客人らは、お酒に酔っているせいか、楽しそうに盛り上がり中だ。





「先生なら東雲の間にいるわ。宣ちゃん、越野さんを案内してあげて」





「はい。−越野さん、こっちへ」





三枝さんの後に付き、あたしは東雲の間へ向かう。





東雲の間は、重役らしき人達がいっぱい集まっていた。





あたしは思わず戸惑い、立ちすくんでしまう。





三枝さんは先に入って、連れてきたと言いに行っている。





一方あたしは、どういうわけか、ドアの陰に隠れてしまう。





「何隠れてるんですか?」





三枝さんは、隠れるあたしを見付ける。





「あの…あたし、やっぱりいいです」





あたしは首を横に振りながら、あっさり断わった。





「先生がお待ちですよ」





三枝さんはニコニコしながら、あたしを無理矢理引っ張り出す。





そして、そのまま中へ連れて行かれた。





「先生、彼女が越野秀佳さんです」





「こっ、越野です。…宜しくお願いします」





あたしは周りに圧倒されてるせいか、かなり緊張しまくっている。





「西嶋です。こんな可愛らしい女性が来館されて、光栄ですよ」





西嶋氏は暖かく迎えてくれた。