文学乙女

視線をあたしに向けると、手に持っているウーロン茶のグラスを無理矢理ひったくる。





あたしはびっくりしたまま、石みたいに固まっていた。





彼は、まだバカ笑いし続ける猪原を見るなり−。






バシャッ!!






その光景に、周りは凍り付いたように唖然となる。





猪原はグラスのウーロン茶をぶっかけられ、顔面から肩までずぶ濡れになって唖然としていた。





「彼女に手を出すな!」





ド迫力ある声で言うと、彼はグラスをドンッ!と置いた。





猪原から離れると、固まってるあたしを見て、突如腕を掴んできた。





「行きましょう」





「……えっ!?」





あたしは目を丸くした。





「あの……」





彼は無言であたしを強引に連れて、つかつかとお店を出た。