文学乙女

「越野さんって、大人っていうより女の子ですね」





「−そうですか?」





「お菓子作る人見ると、本当女の子なんだなぁって思ったから」





「そんなんじゃないけど。…あたし、昔からクッキー焼くの好きなんで」





「そうなんですか…」





あたしは照れくさくなった。





「余り物渡したみたいで、却って申し訳ないです」





「いいんですよ。もともと欲しいって言ったのは僕だから」





あたしは内心ホッとした。




自分のショックを不憫(ふびん)に思っていたのか、いろいろ気を使わせてしまった。





三枝さんにかなり申し訳ないし、今度会ったらお礼をしなきゃ…。






その後あたしは三枝さんの部屋に泊まった。





あれこれ語っているうちに夜中の12時になってしまい、雨もますますどしゃ降りで帰れなくなった。





お笑い番組を見て笑ったり、他愛ない会話をしながら一夜を過ごしたのである−。