文学乙女

「本当は、自分の本心を話すつもりなかったんです…」





「−どうして?」





「本心を話したら、絶対笑われるから……」





三枝さんは黙ってあたしをじっと見る。





「昔のバイト仲間と会った時、自分の近況を話したんです。…そしたら、その中の嫌いな人間にバカ笑いされて…」





「男?」





あたしはうなずいた。





「あたし、そいつに散々バカにされまくった上に、生きてる価値ないって言われたんです…」





「………」





「そいつだけじゃない。…もう一人からかってきた人もしゃしゃり出て、二人してあたしのことで……」





嫌いな人間に散々バカにされたこと。





心無い一言に傷つけられたこと。





本心を言いたくても言えない自分の悔しさ。





自分に自信を持ちたくても持てないこと。





あたしは三枝さんにすべての心境や不満など、ポツリポツリと話す。






三枝さんは笑うことなく、あたしの本心を真剣に聞いてくれた。