文学乙女

「越野さん…」





誰かに肩を叩かれて、あたしはぼんやりと目が覚める。





相手はあたしを呼びながら、二度肩を叩いた。






普段は人の声が聞けるように、ウォークマンの音量を小さくしている。






「越野さん、起きて下さい」





聞き覚えのある男の人の声だ。






誰だろう……。






あたしは顔をあげて、起こしに来た相手を見る。






目の前には三枝さんがいた。