文学乙女

あっちにいなかったら、違う所で仕事しているか、休憩中だろう。





考え事をしながらうろついているうちに、またカウンター前へ戻った。





あたしは手に持っている4枚の紙を見つめ、二度ため息をつく。





仕方なく二階へ戻ろうとした時だった。






「あの…これ、読んで下さい」






………えっ?





その声がはっきり聞こえたせいか、あたしは立ち止まる。





かすかだが、女の子が誰かに愛の告白(?)をしている光景が脳裏に浮かんだ。






−これ読んで下さい−






つまり、誰かが好きな人にラブレターを渡していること。





もしくは、友達に頼まれて代わりに渡していることも考えられる。