文学乙女

児童書コーナーを離れて、図書検索機コーナーへ向かった。





画面をタッチしながら、探している本のタイトルを入力し、計4枚ほどプリントアウトする。





検索機を離れると、あたしは再びカウンターを覗いた。





返却から視聴覚まで隅々まで見たが、さっきまでいたあの人の姿がない。





いるわけないか−。





あたしは、ふっとため息をついた。





気晴らしにさりげなく館内をうろつく。





遠くから赤ちゃんのグズる声が聞こえてきた。





連れてきたお母さんは大変だなと内心呟いて、また館内をうろついた。





もし会えたら、せめて名前だけでも覚えておこうと思った。