近付いてみると、想像通り恐ろしく邪悪な魂が集まっている場所だった。


「うわ…黒い」

「ほーんと。僕こんなとこ入りたくないなぁ」


フィンはじろっと学校を睨んだ。



相当入りたくないんだな。

「いい。俺一人で入る」

「ダメ!危ないよ!?」

「いい」

「リオールッ」



フィンの言葉を無視して歩き出したとき





「きゃぁぁぁぁあ!!」


「ぐふっ?!」







空から"何か"が降ってきた。


「リ、リオールッ!?」

「う……うぅ」

「生きてる!?」

「天使が死んでどうする…。
…てか」


俺は降ってきた"もの"を見た。



「うーん…」


それは漆黒の髪を持った、華奢な少女だった。



こんな細い娘が、空(恐らく屋上と思われる)からふっときといて

無傷なわけがないのだが…



「…痛ーい…」


その娘は頭を摩りながら起き上がった。



あまり大きな怪我はないらしい。


「あ、あの」



少し近づくと


恐ろしいほどの黒い"気"を感じた。



「…え?………お前…」


「うん?」


「……悪魔?」













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