しっかし…

「人間界ってのは無駄に建物が多い場所なんだな」

「人間は欲深いんだよ」

「お前一回人間に怒られてこい」

「事実だもん」



や、そうだけども…。




俺達が今いる小さな丘からは

いくつもの背の高いビルが建っているのが見えた。




「…何だあれ!?」

「あの"白い"建物?学校でしょ?」

「白い!?あれが?真っ黒じゃねぇか…」

「あぁ…空気ね。学校なんて、黒い感情の塊だからね」



フィンはあっさりと言い捨てたが

あれは異常だ。



例え人間が大勢集まる場所だと言っても、あれはあまりにも酷い。





「フィン、ちょっと行ってみないか?」

「えぇ!?あれ高校でしょ?
リオールはいいけど…僕中学生でも無理があるよ!!」



フィンは頬を膨らませて俺を睨んだ。


でも可愛いので怖くない。




「今怖くないって思ったでしょ」

「…う…」

「行くなら一人で行けば!」

「怒んなよ、フィン……あ、フィナール」

「…もういいよ、フィンで」




諦めたようだ。