翼を縮こめると風の抵抗が弱くなり

俺はどんどん地上へと近づいて行った。



…空を飛ぶって

こんなに気持ちいいことだったんだ。





「リオールーゥ!!早い早い早いぃ!!」


フィンに言われ、俺は我に返った。



「…っと…悪い」

「死ぬかと思ったよぉ…」



フィンは泣きながら俺の背中を叩いた。



「いてぇな…。落とすぞ」



フィンは天界にいなければ飛ぶことは出来ない。



ここで落とせばフィンはぺしゃんこだ。




「ダメ!!」

「叩いたら落とす!!」

「叩かないよ!だから落とさないで!!」

「よし」




地上に着くと、フィンはパチンと指を鳴らした。


すると、フィンは十二歳ほどの美しい少年になった。



「…お前一体いくつなんだ?」

「僕には年齢はないよ、妖精だもん」



妖精の世界じゃ模範解答なんだろうが…

納得いかん。



「その姿は何だよ」

「この世界で僕が一番暮らしやすい姿」

「はぁん」





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