虹の賢者

明日香は肩を落とした、記憶が確かだったとしても入れないようじゃ仕方がない。

「あきらめるか…」

明日香は洞穴に背を向けた。

「…待…て…」


どこからか声が聞こえた……ような気がした。


「ん? 誰かいるのか?」

明日香は声がした方を見た。


「気のせいかな?」

「…待…て…」


声は気のせいなどではない。老人のような声で、洞穴の中から響いてきていた。