ダメよ、ダメ!
今抱き締めたら片瀬祐輔と一緒。
セクハラで訴えられちゃう。



我慢、我慢!!



私はバックの中から手のひらサイズの包みを取り出し、凌くんに差し出す。



「受け取って欲しいの」
心を落ち着かせながらゆっくりと言った。



「…ありがとう古谷さん。僕、バレンタインに貰ったの初めて(家族以外)。開けていい?」
凌は幸せそうに受け取った包みを眺める。



私は何度も縦に頷いた。