「古谷さんだったんだ。あれ?でも《お礼》って??古谷さんにはチョコ作ってないよね」



「そうなんだけど…」
どうしよう、誤解されてる。



私が言いたかったのはあの時の…そう、あの時のお礼が言いたい。



「凌くんは覚えてないかもしれないけど…生徒会長になりたての頃に励ましてくれて、本当に救われたの。ずっとお礼が言いたくて…ありがとう」
思い出しただけでも涙が…。



凌は思い出したように目を見開いた。



「そんな、《お礼》なんて!!僕はただ本当の事言っただけで…あの…その…」
凌は頬を赤らめオロオロしている。



その姿は可愛く、思わず抱き締めたい衝動が…。