バウムクーヘン

ほんっと、何もないなぁ…
そんなことを思いながら、バス停からおばあちゃん家への道のりを歩く。


荷物が重い。


「……ぃ、おい、」
「…………は、私ですかっ」

「オマエ、カンナだろ」
「……まさ、マサキくん!?」


バス停への道のりを、ただぼーっとしながら歩いていたから全然気付かなかった。

後ろから肩を叩かれたから、気付いたまでで、声がしただけではわからなかっただろう。

それにしても、マサキくん、背高くなったなぁ。


「昔から変わんねぇな、鈍感だしちっせぇし」
「うるっさいなぁ!」