花びらあげようか【短編】

私は中庭の砂場を見つめながら、少し微笑んだ。真っ赤な花びらを巾着袋に丁寧にしまって、父の病室に向かった。



夏なのにあの日のような少し涼しい風が体をかすめて行く。まるで、まるちゃんに「頑張れ」って背中を押されてるみたいに勇気が出た。


「マリ…、おじいちゃん必ず良くなるよね」


マリは元気いっぱい「うん!」と跳びはねながら返事をしてくれた。