花びらあげようか【短編】

小さな水色の木の前まで来た。そこの下だけポッカリ黒くなってる。

「これって…前に見せてくれたとこ?」


「そう…これがまる。」


「前は木がなかったね」


「みなこちゃんが木を生やしてくれたんだよ。まるに命をくれた」


「…どういう意味?」


「まるは、みなこちゃんの悲しみや苦しみや嫌な気持ちぜーんぶなの。みなこちゃんが悲しいとまるも悲しいの、みなこちゃんの涙はまるの涙…」


私はまるちゃんの話しに聴き入った。初めて公園でこの世界のお話しをしてくれた日の様に。