花びらあげようか【短編】

目を開けると、もうまるちゃんはいなかった。少し道を引き返して探したけど、見つけられなかった。まだ引っ越して来たばっかで、クラスの連絡網にも名前はまだ無い。



しょんぼりしながら１人で歩く道のりはいつもより長く感じた。暑すぎるのかヒマワリまで首を垂らして俯いてる。


「ただいま〜」

玄関におばあちゃんが走ってくる。

「お父さんが、意識が戻ったよ！早く病院に行くからランドセル置いて来なさい！」


突然の言葉に私は少しの間、慌てるおばあちゃんを第三者のような目で見つめていた。

「お父さんが…？」

嬉しくて、玄関にランドセルを投げて泣きながらおばあちゃんと病院に行った。


病室に飛び込むとお父さんはベットに座りながら先生とお話ししていた。