花びらあげようか【短編】

「まる…間違えちゃったのかな。みなこちゃん…お父さん好きなんだよね。だから泣いてるんだよね。」


よく今の現状が理解できないまま、私は泣きながら答えた…


「わかんない。…全然わかんないよ。お父さんが嫌いだったけど、ホントはお母さんが悪い人で…でもお母さんは好きだし…私…」


まるちゃんは困ってた。小さな頃からたくさん泣くと左の頬が赤くなる私、まるちゃんを見ると左の頬が赤かった。


「まるちゃん…泣いたの?」

まるちゃんは私の腕を掴んだ。いつもと違う、ほんのり温かな手…温かいフワフワの手は本物のお餅みたいで私を安心させた。


「みなこちゃん…行こ?」


腕を引かれて私は涙を拭いながら歩き出した。