花びらあげようか【短編】

子供ながらにヒドイ事を考えたよね…私。今思うと最低な事を考えたと思う。でも、私は小さな心で毎日辛い思いをしてたんだよね。


取る物も取らずに高橋先生の車に乗せられた私は、病院に連れて行かれた。


窓から見える景色は夏本番を感じさせる、鮮やかな緑と大きな入道雲、蝉が元気に鳴いていた。先生は私より焦っているのか、クーラーのきいた車内で額に汗を光らせてた。

窓を開けると夏らしい匂いがした事を覚えてる。







そう…まるで今日みたいなこんな天気だった。