本当ならこの町を越え
もういくつか先の場所をめざし
歩いてきた俺たちだったが
この町について
半時もたたないうちに
ひどい土砂降りにあってしまった。


この町に着いたのは
まだ昼ころだった。


リュウと二人
昼めしを食いながら
茶屋で時間をつぶして
雨宿りをしていた。

 
しかしその雨は
一向にやむ気配がなく
困り果てた俺たちを
泊めてくれたのが
その茶屋を営んでいる老夫婦であった。




「使っていない長屋があるから
 そこに泊まるといいよ」


「せまいところだけど
 2人なら十分だろう」