だから。
酔った勢いでシといてよかったんだ。
うん、きっとそう。
このままだったら、あたし一生処女のままだった気がしたもんね。
だって好きな人みつけるまでに26年かかったんだよ?
次の恋待ってたら、あたし何歳になるのよ?
それに那央、SEX好きだって昔から豪語してたし。
相手があたしで悪いけど酔ってて覚えてないだろうし。
那央もラッキーだったよね!
……って何か自分で思ってて哀しくなってきた。
まぁ!
どうせ、どう転んでも前にも後ろにも行けなかったんだ。
それに昨日のことであたしは、那央の記憶の中に“女”として残れたよね。
恋愛対象として入ってなかったあたしは、女として見てもらえてなかったから
。
どんな形であれ、女として残れた。
だから、これでよかった。そう思うことにしよう。
ああ、あたしってこんなこと思う女だったっけ?
でも、こうでも思わなきゃ……なんか泣きそうになる。
こういう風に思うのが正しいのかよくわかんないけど、こういうことも考えれる女だったんだって気づかせてくれた那央には感謝だよね。
脱処女も、恋愛脳も、あー……なんか那央にはいっぱい感謝しなきゃだー……。


