「そうしなよ、一緒に教えてもらおう!」

「やっぱやーめた。2人の邪魔しちゃ悪いもんね」

「え?…私勉強教えてもらうんだよ!」

「いーのいーの!さっ…私寄るとこあるから先に帰るね」

「うん。バイバイ」



千夏はバーガーも食べきらずに帰っていった。







そして翌日から、予定通り毎週土曜日は朝から図書館が閉館するまで晴紀による家庭教師が行われた。



ああは言っていたものの、千夏も毎週来ていた。



「だって実果子ちゃんに会いたいんだもーん」

「いいけど、おまえも授業料払えよ」

「妹からお金とるの!?ひどぉい」

「当たり前だろ!兄妹割引なんてございません」

「ケチ!」

「あーもう、うるさいだろ!ちゃんと勉強しろよ!」

「……んあ~、わかんないっ!お兄ちゃんの教え方がヘタなんだよ!私ちょっと息抜いてくるっ」



千夏はテキストを放り投げ、外へ出ていった。





「まったく、口の減らない妹だ。ごめんね、実果子ちゃん」

「ううん。きっとお兄さんに甘えてるんですよ。いいなぁ、私一人っ子だから…」

「実果子ちゃんも甘えていいよ」