まただめだった。



そりゃあ落ち込んだ。



でも実果子はすぐに顔を上げ、また次へ歩き出した。




「もう…諦めたら?」


そんな周りの言葉もなんのその


「私塾へ行く!」



それまで実果子は、アルバイトをしながら独学でやってきていた。

だけどここにきて遂に塾へ行くことを決心した。





クラスメイトはみんな高校3年生。制服を着ていないのは実果子だけだ。
大した私服ではないけれど、そういう意味ではかなり目立っていた。



なかなかみんなに馴染めず教室で孤独を感じることも多かった。


まぁ勉強しに来てるんだと割り切って、実果子は塾へ通う日々。



でも…


実果子のクラスに逆の意味で目立っている女の子がいた。


それが千夏だ。



明るくて笑顔が可愛くて成績も良くて、彼女はみんなから好かれている。
実果子の目にも、そんな千夏がひときわ輝いて見えた。
自分も千夏に話しかけたい、仲良くなりたいと、密かに思っていた。


でも実果子は、話しかけることさえできなかった。


正反対な自分に自信が持てずにいたのだ。




そうこうしてるうちに早2ヶ月が過ぎ、