店を出た俺は、         サクのマンションまで走った。               マンション前にサクを見つけ、                名前を呼ぼうとしたその時。                 サクの前に1台の車が停まった。               サクは、その運転手と言葉を交すと、   助手席に乗り込んだ。               そのまま、俺に気付くこともなく      通り過ぎて行った。               すれ違った時に見た運転手は、        中年の男だった。               相手が、サクの恋人か、  仕事の関係者か、俺にはわからない。               ただ、俺には見せない笑顔を      その男には見せていた。               その事が、ショックで…       ただ、呆然と立っていた。