愛里の結婚式から数日がたったある日、              聞き慣れた着信音が鳴った。               『もしもし、サク?』            愛里からだった。               『愛里、新婚旅行から何時、帰って来たの?』                        『昨日。』                         『楽しかった?』                      『空と、喧嘩もしたけど           楽しかったよ。』               『愛里と、空サン、相変わらずの      ラブラブぶりだね。』               『でね、新婚旅行のお土産を渡したいんだけど明日、 会える?』               『大丈夫だよ。 どこで会う?』               『サクのマンションの近くに、 ○○女子校前の“向日葵”       って喫茶店知ってる?』               『知ってるよ。』                      『そこに3時で大丈夫?』                  『じゃ、3時に…』