「元気ないね。」

英佳は心配そうな顔をしている。


「大丈夫だよ。」

私は嘘をついた。


「もう一度聞くけど、紗帆は颯太とこのままでいいの?」


「………。」


私は黙ってしまった。

「紗帆、すごく辛そうだよ。昨日体育館で会った時はあんなに笑顔が輝いていたのに。」


「……。」


「楽しかったんでしょ?颯太と一緒に見てまわったりしてさ。」


私は黙ってうなずいた。

楽しかっただけじゃない…。颯太に対する印象だって、180゚変わっていた。