まだ雨は降っている。


廊下の窓から外を眺めていた。


「…おはよう。」


颯太だった。

「おはよう。」

私も挨拶を返した。


久しぶりに声を聞いたような気がした。


「どうした?」


優しい声での問いかけに、何か答えたかったのに…

「なんでもないよ。」


それしか出てこなかった。