「俺も!“気付いたら夕方だ”っていう感じだよ。朝は、どうなるのかって不安だったんだけどさ。」


「…朝?」


「そう!紗帆、ぎこちなくて、顔もムスッとしててさ。機嫌悪いのかと思ってたんだよ。」



「違うよ!あの時は、何を話せばいいのか考えてたの。少し緊張もしてたし…。だから、機嫌悪かったわけじゃないよ。」



「そっか…。でもたくさん笑ってくれて良かったよ。」


そして続けて、


「明日もよろしくな!」


とびっきりの笑顔で言うと教室に勢いよく走って行った。


“明日もよろしくね。”

私は心の中でそう言っていた。