颯太は中の様子をさっと見回して、

「待とうよ。せっかく来たんだからさ!」


そう明るく言って列に並んだ。


「いいの?お腹すいているんじゃ…。」


「美味しいって評判なら、待った分だけ、もっと美味しいと思うし…それに…」


「…それに?」


思わず聞いてしまった。


「紗帆が“行きたい”って言ってくれたからな。」


…颯太ってこういう男の子だっけ?


ふと私は思った。