「紗帆!俺と3日間だけ付き合ってくれない?」

いきなり同じクラスの颯太が声をかけてきた。


「何で私があんたと付き合わないといけないの?」

私は即座に聞き返した。

颯太はお調子者で、いつも冗談を言うような奴。

だから、今回も単にふざけているだけなんだと思ったのだ。


「文化祭が近づいて来ると付き合い始める人、結構いるだろ?」

「う〜ん…確かにそんな気はするけど…。」


根拠のない話だと分かっていながらも私はうなずいた。

「いいじゃん。3日だけ!文化祭、一人だと寂しいし…」悲しげに颯太は言った。


「友達と一緒に楽しめばいいじゃない。」

私はそう切り返した。

「友達もそれぞれ今年は彼女と展示を見てまわるんだよ。だから俺だけ独りだと心細くてさ。」

颯太は本音を漏らした。


(なるほど。それが理由か…。)


私は少し納得した。

「だから頼む!」

手を合わせて颯太は言った。