第一章パート1 悪戯


ざわめく街 白く濁った空気 汚れた世界に僕等は、もうどれくらい
ここにいるんだろう。
ふと、そこにいる少女に目を向けると、なんとも言えない顔をしているんだ、
「どうしたの?」僕はこう問いかけた。
すると彼女はこう答えた、「私のこと知ってる?」
続けて彼女はこう言った「私ずっとここにいるんだよ」
誰かを待っているかい?彼女は無言で首を横に2回振った、いつからここにいるの?
彼女に聞いてみた。彼女は少し戸惑った顔をして、わからないけど…ずっとここにいるの
…この場所が好きなんだね?僕は心の中でそう思った。
だけど…彼女はうつむきながら、今にも途切れてしまいそうな声で「もういやだ…」と

周りの視線が次々に僕に襲いかかる、ど…どうしたんだい?
何か悲しいことでもあったのかい?彼女の目は涙で溢れ出していた。
ずっとここにいる、でも誰も私を知らない、みんな私を見てくれないの……

さっき感じた視線が僕の背中に突き刺さる、僕は少し裏返った声で、パパとママは?
また無言で首を横に振った…それはさっきよりも力強く感じた。

パパもママも「華」とお話ししてくれないの…、華ちゃんって言うんだ、
うん。彼女は首を縦に振り、初めて笑顔を見せてくれた。

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