【短編】偽りの笑顔


「和希はあたしの愛した人だから…。本当に好きだった。」


例えあなたの中にあたしがいなくても、あなたが好きだった事は変わらない事実。


「ありがとう。」

そう言って和希が笑った。

今の笑顔は本物だと思う。それだけであたしは嬉しいよ。


「こちらこそありがとう。大好きだったよ。でも和希の恋は応援出来ない。」


「うん。ありがとう。大好きだったよ、俺も!」


そう言って、手を差し伸べた。