執事と羊


「お前が何か言ったのか?」



「何言ってんの?
そんなわけないでしょう?



もしかして・・・




別れちゃったの?」





『別れ』


一瞬足がすくんだ。


美優の顔が何度も浮かんできては
消える・・・



「だったら?」




「脆いのね。
普通、男だったら力づくでも
自分のものにしておくんじゃないの?」



そんなことできたら・・・・


どんなに楽か


でも、掴んでしまえば
もう一生触れることができないようで


俺は出来ない。



美優から別れを切り出してきたんだから
俺が引き止める理由が見当たらない。




それに執事も・・・


もう、終わりだと・・・




「ねぇ、アメリカに帰らない?」



突然の誘いだった