妄想バレンタイン《短編》

教室についてからも、俺のチェックに余念はない。


机の中に手を入れて探ってみると、なにやら四角くて薄い感触の物が。



おお!


これはもしや…!?



俺はキョロキョロ回りを見回して、誰も見ていないことを確かめると、机の中の物をゆっくりと手繰り寄せた。



「荒川!お前に借りてたCD机に入れといたから」


同じクラスの佐藤が後ろから声をかけてきた。



CD…だったのか。


期待していただけに、俺のショックはメガトン級だ。



どよんと淀んだ俺を、教室のドアから京子ちゃんが呼んだ。