妄想バレンタイン《短編》

「これ、菊地君に渡して欲しいの。お願いね!」



…………。


想定内…想定内。



俺は京子ちゃんの頼みを聞くことにした。


「オッケー。菊地に渡しておくよ。ちょっと目の前がクラクラするような気がするけど…ははっ…大丈夫!俺に任せて!」


「ありがとう!今度お礼するね!」


京子ちゃんはニッコリ笑うと走って行った。



お礼よりも、今日のチョコレートが欲しかった…。


ぼろ雑巾と化した俺は、ヨロヨロと教室に戻ったのだった。