妄想バレンタイン《短編》

「荒川く〜ん!ちょっといい?」


「きょっ京子ちゃん!?」


京子ちゃんはうちの学校で五本の指に入る可愛い女の子だ。


吹奏楽でさらさらのストレートヘアを揺らしながらフルートを吹く姿は、最高に可愛い。


映画に出てくるお姫様みたい。


だから狙ってる奴は大勢いるわけで。


かくいう俺も、隠れファンの一人なんだけど。



そんな、京子ちゃんが俺に何の用だろう?


まさか…チョコレートを…?