「俺の方が可哀想だっつーの いつなっちゃんが俺を捨ててそこらの女に取ってかれるかわかんない不安抱えて毎日同じ家で理性と戦ってんだぜー?」
いやほんと冗談じゃなく、大変なのよ
先輩方から情報回収して危機とあらばなっちゃんを女共からガードしつつ、家では風呂上がりやら寝顔やらを目の前にして可愛い弟演じて・・・
並半端の苦労じゃないわけですよ

「んなことしてもなぁ、弟としか見られてなかったら意味ねーじゃん。なっちゃん卒業したら今までみたいにはうまくいかねーぞ」
ズキっ・・・
「もし卒業してお前の知らないうちに彼女つくったら今のままだとお前はその子に弟として紹介とかされる訳だ。今してる苦労は水の粟だな」
ズッキ――――ン

俺は反発もできず、まだ来てないその時を想像してしまいショックで固まった